古銭および古紙幣の価値は状態によって大きく変わってきます。たとえ価値の高いものであっても、保存状態が悪かったゆえに売却時にはほとんど値がつかないというケースも少なからず存在します。
しかしながら実はお手入れというのは難しく、古銭・古紙幣は知識のない素人がメンテナンスすると、逆に価値を下げてしまう可能性もあります。そこで今回は正しいメンテナンスとお手入れ方法を学びましょう。
【銅貨】メンテナンス&手入れ方法
身近な硬貨である銅貨のメンテナンス方法としてメジャーなものには、下記のような種類があります。家庭にあるもので簡単にお手入れ可能なため、メンテナンスしやすい硬貨と言えるのではないでしょうか。
- お酢に浸す
- 銅磨きのクリームを使用する
- 貴金属磨き用のクロスを使う
- 酸性の家庭用洗剤を使う
お酢に浸す方法は非常に有名ですから、実際に試してみたことのある方も多いのではないでしょうか。お酢以外にも酸性の調味料であれば活用でき、例えばレモン汁などでもお酢と同じように汚れ落としができます。
市販の銅磨きクリームは汚れを綺麗に落とせる反面、汚れ落としの力が強いため注意が必要です。
【銀貨】メンテナンス&手入れ方法
お手持ちのシルバーアクセサリーなどを見ても分かる通り、銀というのは放っておくとサビて黒ずみやすい性質があります。銀貨をメンテナンスする方法としては下記があげられますので、試してみましょう。
- 重曹を使う
- 銀貨専用のコインクリーナーを使う
- 貴金属磨き用のクロスを使う
重曹は薬局などで簡単に購入できるため、やりやすい方法ではないでしょうか。洗浄力があまり強くないため、少しずつ指でこすりながら汚れ落としをしますが、こすりすぎると研磨されるため注意しましょう。
貴金属磨き用のクロスを使用する場合には、事前にある程度大きな汚れは落としておく必要があります。汚れがある状態でクロスを使用すると、汚れと硬貨がこすれてしまい、痛む可能性があるからです。
【金貨】メンテナンス&手入れ方法
金貨は普段使用することのない硬貨のため、汚れ落としの方法もあまり馴染みがないかもしれませんね。金貨の手入れ方法としては以下の2つがあげられますが、金貨はメンテナンスが非常に難しいです。
- 超音波洗浄をする
- 研磨剤が入っていない柔らかいクロスで拭く
金という素材はとても柔らかいため、普通にお手入れしてしまうと傷がつきやすいです。そのため眼鏡のお手入れに用いられる超音波洗浄を使用することになりますが、お持ちでない方が多いかもしれません。
軽い汚れ落としであれば、研磨剤入りではないクロスでも可能です。金専用のクリーナーなども販売されていますが、金貨に含まれている銀など他の素材を溶かしやすいため使用しない方が無難でしょう。
【ニッケル】メンテナンス&手入れ方法
硬貨の中では少ないですが素材としてニッケルが用いられているものもあり、たとえば現行貨幣の50円玉などがあげられます。比較的近年の硬貨に用いられていることが多いですが、手入れ方法としては以下になります。
- 市販の液体研磨剤を使う
- 市販のクリームを使う
やり方としては、市販の研磨剤やクリームをクロスなどの柔らかい布に散布して、やさしく拭いていくだけです。軽くこすりながら磨いていくだけでよいのですが、やりすぎると痛みますから要注意です。
とはいえニッケル貨の古銭は残念ながらあまり価値があるものではないため、多少ダメージを負っても問題ないかもしれませんね。穴なしの50円硬貨のみやや高値で買取されるので、そちらをメンテする際には気を付けましょう。
【紙幣】メンテナンス&手入れ方法
紙幣は材質的に、一度付着してしまった汚れを落とすことはできません。そのため下手にお手入れをしてさらにダメージを負わせるよりは、何も手入れせずそのままの状態にしておくことを推奨します。
基本的には何もする必要はありませんが、軽いシワ伸ばし程度であればご家庭でもメンテすることが可能です。方法としては霧吹きなどで軽く湿らせた後、低温アイロンをあててシワを伸ばしていくだけです。
ポイントとしては当て布をしておくことで、焦がすことなくアイロンがけをすることができます。